ギャッベが彩る食卓 : 鶏肉とご飯の煮込み「ライポロイ」

カシュガイ族の人々は、遠来からの客人が「自分たちの仲間」であるとわかると、全身全霊を尽くしてもてなすことを怠らない。女性が時間をかけて作った料理を男性が運び、サービスする。客人を招く食事の席に女性は同席せず、取り皿を配ったり、飲み物を用意したりといったことは男性の役目。子どもたちの中でも、男の子が手伝う。
私たちがおいしそうに食べると、本当にうれしげに、次々に取り分けてくれるので、「おいしいけど、おなかいっぱい!」と、こちらも身振り手振りでサービスに応える。
遊牧民の生活では一日3食のうち、朝はナンと卵を中心に軽く食べ、火を使う料理を作るとすれば昼食。そして、夜は昼の残りやヨーグルトなど、火を使わずに用意できる軽い食事で済ませるのである。電気がない生活で、夕食の後始末を素早く済ませる知恵でもある。
ゴルパスさんに得意料理を聞いてみると、レパートリーは肉と長粒米のご飯、肉と野菜を組み合わせた煮物、卵料理など6〜7種類。その中から鶏肉とご飯の煮込み「ライポロイ()」を作るところを見せてくれた。
彼女たちの料理は香辛料なども使うが、比較的薄味。原野での遊牧生活の経験からか、煮込むものはよく煮込み、焼くものは焼きすぎと思われるほどよく焼くのが、カシュガイ遊牧民料理の基本である。



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カシュガイ遊牧民・
草木染め手織り絨毯
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