2022年春展示

館長向村春樹からのご挨拶

　2022年春のシーズンを無事に迎えることができ、感謝と喜びを皆様にお伝えしたいと思います。新型コロナの脅威に向かいながら、社会活動に対応してきた2年間、何とか一息つけそうと感じていた矢先に、飛び込んできたロシアのウクライナへの侵略戦争勃発の報。なぜ、この時代に何のための戦争かと、驚きと信じられない思いで一杯でした。武力を行使した侵略行為は絶対に許されないことであり、断固反対します。武器を持たぬ民間人への残虐行為には強い怒りを感じます。この事実を傍観するだけでなく、私たちは行動します。私たちが運営する一般社団法人国際子ども教育基金は、微力ながらウクライナへの支援活動を始めました。その原資は、皆様もご承知のようにギャラリーの売上の5％を、お客様からの預り金としてストックしてきたお金です。皆様に深く感謝を申し上げたいと思います。世界の子どもたちに平和な社会生活の中で学べる日が戻ることを心から願っています。

Gabbehの尽きぬ魅力を伝え続けます

　遊牧民カシュガイ族の伝統文化であるギャッベ。家族の幸せを願う文様をひと結び、ひと結び、織り込んでいく、根気と集中力を必要とする手仕事により誕生します。これが専門の職人の手によるものではなく、普通の主婦の手によるものであることが驚きです。そして、カシュガイ遊牧民が伝承してきたのは、この織りの技術だけではなく、魂の奥深いところにある「フリーダムの精神」。他人に左右されることを嫌い、自分の生き方、自分の信念を貫く人たちの魂が生み出すアートとも言える絨毯。この春も逸品が揃いました。

ロリナウバフト（233×166 cm） ¥1,079,999（税込）

ミルダバーグ多様な世界に遊ぶ

今、時代のキーワードはサスティナブル（持続可能）。しかし、ミルダバーグの絵に描かれる人物や動物は昔から、サスティナブルな存在でした。他との相違を認め、多様で、自由で、そして気ままで。豊かなバランスの中に生きている。ロシア上空を民間の飛行機が飛べないという状況の中、この葉書の印刷入稿の前日に奇跡的に届いた作品の数々が、いつにもまして愛おしいです。（額装が一部間に合っておりません）