ライオン紋様に宿る遊牧民の美意識

ペルセポリスからギャッベへ:ライオンが紡ぐ文化の系譜

ライオン紋様のギャッベには織る人の芸術的感性が色濃く現れます。カシュガィ遊牧民の中で本物のライオンを見た人はそう多くはいないと思います。カシュガィ5部族の中でも表現の仕方が違いますが、猛々しいのやら何かしら隣の叔父さん風のものまで色々です。
ライオンは王の象徴として智恵、権力、財力、強靭な肉体を表しています。
ライオンギャッベはそのように生きたいとの願いの表れでしょう。
紀元前5世紀の神殿遺跡がイランの南部にあります。カシュガィ遊牧民が多く暮らすフェルザバードと古都イスファーハンの中間辺りにあるペルセポリス遺跡にはライオンの彫刻が多く残っています。神殿の門の堂々としたライオン像、神殿階段のレリーフ、獲物に襲いかかるライオンどれも力がみなぎり圧倒的な迫力を今も放っています。古い時代からライオンが百獣の王として神格化され人々の心の中に生きて証です。この遺跡はカシュガィ遊牧民が夏の宿営地サラハットと呼ぶ高原の一角にありギャッベのライオン紋様との関連性を感じます。

『大地の絨毯 GABBEH』
カシュガイ遊牧民・
草木染め手織り絨毯

フォトグラファー向村春樹氏が20年にわたり現地を取材したギャッベの世界を紀行文として執筆された待望の新刊です

  • 全192ページ オールカラー
  • サイズ:19.5 X 25.4 cm
  • 発行元:ART G PUBLISHING

向村春樹著

通常価格 ¥4,950

ギャラリー価格 4,000

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